『プロデューサー夜話』で取り上げた話題の詳細バージョンまとめ

超DQXTV#12内でプロデューサー夜話を放送。

できる限り青山さんや安西さんの言葉のニュアンスを崩さないようにまとめてみました。

プロデューサーの仕事

齋藤陽介さんからプロデューサー業を受け継ぎ、約1年が経過。バージョン4も終わりを迎えるので深いところまで語ってくれました。

• 一言でいえば開発・運営全体の責任者
• 会社目線で言えば利益を創出する人
• チームメンバーから見れば大方針を決める人
• 決算は3月なので厳密にいえばまだ会社からPとしての評価はされていない
• 中学生のころからプログラミングをしてゲームを作ってきた。ゲーム開発歴37年
• ゲームは1人で作るものだと思っていた
• 会社に入りゲームは組織で作ることを知る
• すぐにメインプログラマーになり部下が付いたことでマネージメントを学ぶ
• 2年前によーすぴからP交代の相談を持ち掛けられる
• 青山論として組織のトップが2人いるのはおかしい。やるなら全部任せてほしい
• 最初はゲームスタッフの舵取り役「内部P」として打診されたが、マネージメント部分は既に経験済みで出来ると自負してた
• 「外部P」と呼ばれる営業や宣伝や販売管理などの業務は今でも苦手
• 営業や宣伝など苦手な部分は得意な人に任せて丸投げしているそう
• 逆に開発内部に関してはよーすぴ時代よりも深く見られていると思っている

開発力の強化

• 青山Pになって一番のメリット、こだわった部分は開発力の強化
• より良い開発ツールを導入して時短できるような環境作り
• スタッフのモチベーションを上げるため働き方改革を力を入れていた
• テクニカルディレクター（TD）後任の西岡氏から「(スタッフから)怖がられている」と言われ解消するように努めた

• 会社に属している以上、利益を出さなければならない
• 仮にAは1億1000万、Bは1億2000万の売り上げだったら誰もが後者を選ぶ
• 会社からすればより利益が良く効率のいいゲームに資金を回されてしまう(暗にDQ10とFF14の例えだと思いました)
• ドラクエ10を長く続けるには、低空飛行でスレスレの黒字よりもしっかり利益を出す必要がある
• その利益でより開発力を上げて、より良いものをお客様に還元していきたい
• 費用（人件費、鯖代）のコストカットをしてまで利益を出したいと思わない
• スタッフ10人のところを9人でも効率化できるとしても、10人でその1.1倍のモノづくりができるようにしたい
• むしろ開発費はもっと強化していきたいと考えている
• 売り上げを伸ばす最も重要なことは冒険者の数を増やすこと、冒険者の人々からより多くのお金をいただくこと

ドラゴンクエストらしさは忘れません

• ドラゴンクエストらしさはもちろん大切にします
• しかしその“らしさ”というのは十人十色だと思っています
• 堀井雄二さんが一番“らしさ”を取っ払い革新的な人
• 青山P的にも堀井さんの意見がドラゴンクエストだと思っている
• 定期的に堀井さんと会議を開き意見を頂き堀井さんがOKしたものだけを実装している（全ての要素がというわけではない）

• オンラインゲームはサービス業だと思っている
• 開発内のローカルルールとしてユーザーと呼ばずにお客様として呼んでいた
• ユーザーファーストのつもりが「客扱いするな」と反発の意見もいただいた
• 冒険者たちと一緒に作っている。一緒に開発している思っている
• 冒険者から意見をしてくれるのはとてもありがたい
• サイレント・マジョリティ(静かなる多数派)冒険者もデータログから傾向を解析して開発の指標になっている

追加課金要素が増えているんじゃないか問題

• 結論から言うと増やしています
• 青山Pの責任と方針としてこのような要素を追加していった
• 様々な意見をいただくことは想定していた

• 上図はとある1ヶ月の間にDQ10に課金した人数の分布図
• 圧倒的に月額料金しか払っていない人が多数
• DQXショップや便利ツールのジェムを利用して2000円以上課金している人は1/4
• 1～999円は3DS版ユーザー
• ゲームに対して＋α課金する満足度は人それぞれ
• 運営としては利益を出したいので課金要素のパターンを増やすことを決めた
• 10月の増税後も据え置き3キャラ1000円の月額利用料金は変えません(5キャラは1500円)
• その代わりオプションプランの値段は増税価格になります(8%→10%)
• アイテム枠や装備枠の拡張部分は無償で強化する予定
• 畑のレア水実装後、親御さんから「課金水まいたのにレアにならなかった」と問い合わせがあり心を痛めた
• 全体のデータで見ればレアになる数は増えているが個々で見ると運悪く全く効果が出てないユーザーもいた
• 苦戦しているが、課金水の効果の調整を行っている
• 今後の課金要素でも見返りがないということが起こらないように改善に努めたい

• 大きな方針変更は2つ
• 便利ツールは色々なキャンペーンを展開予定
• DQXショップでは時間短縮ができるアイテムなどを販売

今までも釣り関連やモーモンモールなど開催していたが、もう少しバリエーションも増やしていきたい（三将軍ふくびきキャンペーンもその一つ）

• 今回の便利ツールのみふくびき確率2倍キャンペーンは思い切って実装させた
• 賛否両論の意見を参考にしつつ今後に活かしたい
• 今まで強さに直結する課金アイテムは販売してこなかった
• 一定時間経験値がよりもらえるアイテムを販売する予定（元気玉とは違う）
• プレイ時間が多いプレイヤーたちに追いつきやすくなるための施策
• ソシャゲのお金を払いたいだけ払えるシステムは参考にしている
• ゲーム内だけでは到達できないような要素を課金すれば強さを得られるということは絶対にしません
• Pay to Winは個人的に大反対。将来的にも実装はしません
• あくまでもゲーム内で出来ることを課金すれば時短できる要素のみ

冒険者が減っていないか問題

• バージョン3中は減っていました
• バージョン4の最近は横ばい傾向です

• バージョン2では公開してたのにバージョン3で非公開だったのは減ってたからです
• 上図の赤は新規(30日以内に始めた)、黄色が復帰者(30日以上未ログイン者が再度始めた)、緑が継続者(直近先月もログインして次月もログインした人)
• バージョン4直前に増えたのはSwitch版、PS4版が発売したから
• バージョン4以降がほぼ横ばいなのはクオリティが上がったのかなとアンケからも好評をいただいた。さらに3か月に1回アプデをしたおかげ
• 右側の山はドラマゆうたの効果で増えた
• 左にある一番高い山は3DS版10時間無料キャンペーン時のもの
• 3か月に1度のアプデを実施しているので復帰者も横ばい安定している
• 新規と復帰者は全体の2割を占める

• 新規・復帰者が全体の2割ということは緑の継続者が減っているということ
• フレンドがインしなくなったというのは特にベテラン勢は多く実感しているはず
• データとしては横ばいでも継続者が去り、新規・復帰勢が増えるというサイクルが起こっている
• 継続者が減った理由は金ロザ実装以降、成長が緩やかになりキャラクターの成長を実感できなくなったからと推測
• より強さを実感できるようなコンテンツを安西Dに注文した
• 安西D「成長システムやそれに準ずる要素をバージョン5で実装したい」
• 金ロザを強くし過ぎた…ｗ

• まずはバージョン5で特に復帰勢を取り戻したい
• 他にも新規獲得の施策を計画中（10月ごろ発表できる）
• コラボレーションも意欲的にやっていきたい
• Web広告の強化

実は七夕イベントの広告を出展していた。今後もトラシュカの広告バナーを展開する予定

• 1人復帰するのにいくらかかったのか算出して、このくらいお金をかけてこのくらい人を戻そうと計画中
• さらに最大の計画もあるがそれはまだ話せない
• PS4版、Switch版発売で新規は呼び込めたが、今後はこのままでは厳しいと実感している
• バージョン5ではいくつか今までとは違う新しいことにチャレンジして施策している

バージョン4はミニゲーム・既存コンテンツの改善を重きを置いてきた。バージョン5では色々挑戦したいと以前のインタビューで発言していました。

長期継続特典がしょぼい問題

• 景品を豪華にすると法律に抵触してしまいます
• 発売日から続けているプレイヤーと新規では7年の差があり埋められない差は正直作りたくない
• キラーパンサープリズムを特典にした時に新規から物凄いクレームがきた
• 解決策として見出したのがプレゼントチケット
• それでも優遇されている感がないという問題も認識している
• 今後ベテランさんにはアイテム枠のストレージ枠拡張などを検討中（悩み中）

○○さんを対処して欲しい問題

• 規約違反であれば対処はしますが、個別に報告することはありません
• プレイヤー同士の争いも規約に反していなければ運営的にはどっちも悪者ではないと判断
• 煮え切らない答えではあるが、規約違反でなければそっちで勝手にやってください

超DQXTVをYouTubeでも配信してほしい問題

• そもそもDQXTVはドワンゴ側が企画・運営している放送
• ニコニコ生放送がお金払ってるのにYouTube配信なんて無理ですｗ
• ドワンゴ側が全て運営しているためスクエニ側の負担は全然ありません
• 例外としてTGSは出張版という形としてYouTubeでも配信している
• 初心者大使もドワンゴ側が主体で企画・運営している
• “初心者”がDQ10配信をするというケースが少ないため運営としても初心者大使は開発の参考になっている
• 初期村クリア後にサポート仲間が加わる要素は初心者大使の放送がキッカケで実装された

情報発信を多くするんじゃなかったの？

• バージョン3と比較すると微増という結果に
• 公式Twitterのフォロワーを増やしたいという意図でDQXTV情報をリアルタイム発信したり力を入れている
• 提案広場は最初はたくさん回答したが、最近は減少している
• 「検討します」と書くと実現すると勘違いされるのが困る
• 慎重になりすぎかもしれないが正直難しいらしい
• 開発・運営だよりは初代D藤澤が始めたもので、現在はDQXTVがあるので運営だよりの立ち位置がフワフワしている
• 安西Dの負担になるし頻度を上げて超文を書かせるわけにはいかない

安西Dが人狼ばかりでエアプなんじゃないか問題

• DQ10のツイートほとんどしないからエアプなのでは？と思われるが違います
• 安西D「モフィタンは全職Lv105くらい」「サブ1はバージョン3」「サブ2はバージョン2」でLv95くらい。
• うまい・強い・エアプは別問題です
• 元々個人垢で趣味の事しかつぶやかないと発言していた
• 逆にDQ10の細部の内容をつぶやくと誤解を生みかねないのであえて控えていた
• その分、提案広場の回答に答えていきたい

りっきーさんがDに就任した当初はTwitter上で質問をバンバン答えたせいで「Twitter見なきゃ知り得ない情報を発信するな」と問題になり以降、りっきーさんほとんど呟かなくなった

• PもDも一個人のアカウントなので他ゲーのことをつぶやいても広い心で見て欲しい
• 他ゲーをプレイすることもエンターテイメントを体験することも今後のDQ10開発に反映されるものだと思っている
• 頑張るべきなのはTwitterではなく情報発信。そっちを頑張っていきたい
• 会社員がツイートするって…会社員がコスプレするってすごい時代になったな

夏祭りでユーザーからの質問答えます

• 今回のコーナーで感じたこと、新たな疑問があれば夏祭りでお答えします
• 特設サイトを設けたのでそちらから送ってください

運営サービス10年経ったらその後はどうする

安西D「青山さんがプロデューサーになってから会議室で『話がある』と2人で話してて『安西さんバージョン5のあとどうしますか？』と。

今7周年でバージョン5がもし2年以上続いたとしたら、その後って10年以上になるんですよね。齋藤さんは『10年運営します』と言ってたけど、それ以降の話ってしたことがなかったんですよ。

『青山さんはどう考えていますか？』と問いかけたらいくつかの選択肢を出してくれたんですよね。それで私は『できるだけ今の規模で、今のまま、長く続けていきたいです』と答えました。

青山さんも『そうだよね』とできるだけ長く続けていこうと誓い合いました。

ただ、続けていくことって簡単ではなくて、今は何とか維持していけてるんですが、一旦、下り坂になった時の恐ろしさを我々も感じていて、そこから対策してももう遅い。

10年以降続けていこうと思ったらものすごく大変なんですね。

だからこそ今からできることはないかと検討を重ねて導き出した答えが今回のプロデューサー夜話で話したことだと思っています。

CMでもあったように“終わらないドラクエ”

実際無限に終わらない訳にはいかないんですけども、できる限りドラゴンクエスト10を続けて、メインストーリーがあって、コンテンツがあって、季節イベントがあって、そんなドラゴンクエスト10を続けていきたいと思っております。

ドラゴンクエスト10を極端に変えるつもりはありません。スマホゲームのようにするつもりは全くありません。

だからといって、変わらないことを続けることもできない。時代時代に合わせて少しずつ慎重に、青山さんと相談して見極めていきたいと思います。

私自身、ドラゴンクエスト10が大好きです。

皆さんも好きなゲームのサービスが終わってしまったということもあると思います。

そういうことが1日でも長く訪れないようにしたいと思っています。

（今回の夜話で）腑に落ちない方、満足できない方もいらっしゃるかと思いますが、開発の考えをご理解して頂ければ嬉しいと思います。」